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カンボジアで働いている人の備忘録

24歳、なんかカンボジアで起業したみたいです(他人事)

シャンパンを飲む会に参加してきた。味?よく分かりません。

雑記 ワイン

近所のワインバーで泡会なるイベントをたまたまやっていた。いいシャンパンを開けようぜっていう会らしい。

シャンパンが好きか?と聞かれれば、そうでもない。好き嫌い言えるほど飲んだことないし。良し悪しすら分からん。しかしこういうイベントでもなければ味わうこともないか、と思って少しだけ飲んで来たよ。という話。

ワインバーで飲むシャンパン

時刻は21:00。

雑居ビルの2階。横幅1mほどの狭い階段の先、テナントビルの風貌からおよそ不釣り合いな木製のドア。私が最近よく行くワインバーは、いわゆる「隠れ家的お店」と言われるような場所にあった。

階段を上がって入口の前に立つと、店内の照明が曇りガラスの向こうから足元を照らしていた。話し声が聞こえてくるが、中の様子は分からない。何回か来た店とはいえ、このドアに手を掛ける瞬間はいつも緊張してしまう。

ちりんちりん、という音と共にドアを開ける。既に店内には40代、50代ぐらいのお客さんが数人、カウンターで飲んでいた。いかにも仕事が出来そうなパリッとした身なり。手元には細長いグラス。澄色の照明に照らされた液体の中で、絹糸のような泡が揺れている。ごく自然な雰囲気でグラスを傾けているしぐさは、まるでドラマのワンシーンのようだった。言い過ぎかこれ。

「ひとりですけど、いいですか」

他のお客さんの注目を浴びないように、カウンターの中のマスターにギリギリ聞こえる大きさで声を掛ける。どうぞ、という言葉を待ってから、私は一番端っこのカウンター席に座った。マスターが私におしぼり渡しながら問いかける。

「今日はどうしましょう」

普段なら「お任せします。とりあえず2杯比べながらで」と答えていたが、この日は対して好きでもないスパークリングが飲みたい気分だった。砂糖断ちでジュースを飲む機会が減ったおかげで、炭酸への欲求が強くなっていたせいか。

「それじゃあ、泡で何か開いてるやつありますか。なければ白で」

「ちょうどいいところに。今日は泡会なんでイイやつが何本か」

「泡会?」

「まぁ、今日はシャンパンデーってことです」

マスターはニヤリと笑うと、シャンパングラスを手に取った。

「普段シャンパンとか飲まなくて良し悪しも分からないんで...適当になんかお願いします」

「かしこまりました」

1杯目

「まずはこれから行きましょうか」

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なんだこれ。筆記体読めない。

「すんません、これどう読むんすか」

「メド、って読みます」

「めど」

「ええ。なかなかイイやつですよ」

「ほえー」

飲んでみる。おお、飲みやすい。語彙力ないから飲みやすいしか言えなくてつらい。シャンパンて酸っぱいイメージあったけど、これは全然そんなことない。

「酸っぱくないです、これ。飲みやすい」

「はっは。でしょう。酸味と甘みのバランスがいいヤツなんで」

酸味と甘みのバランスなのか。うん、意識して飲んでもよく分からん。言われてみればほのかに甘い感じもするけど...香りもなんて表現していいのやら。なんか香ばしいというか、まったりする感じ?がするようなしないような。やっぱ分からん。

「アテ、なんかいりますか」

「そんなに腹減ってないんで、軽くつまめるやつで」

「肉か魚かなら」

「そんじゃ魚でお願いします」

「かしこまりました」

酒とつまみの食べ合わせを知っときたいので、飲みに来る度に必ず何かつまみを頼んでいた。いつもはチーズとかパンばかりなのだから、魚を頼むのは初めてだな。

2杯目

それにしてもスイスイ飲めるなこれ。アテが来る前にグラスが空いてしまった。とりあえずもう一杯頼む。

「すいません。別のやつを頂いても」

「うーん、そうですね」

マスターは手もとでアテを作りながら、何かを考えている様子だった。

「いいの、あるんですけど。バカ高いやつなんで...」

値段が美味しくないやつか。飲んでみたいけど、飲んだとこで価値分からん。具体的な金額も聞きにくいし、もうちょっと頼みやすいやつにしとこう。こういうの聞かれないぐらい稼げてたらいいのなぁ(遠い目)

「それじゃ、最初のより少しいいヤツでお願いします」

「かしこまりました。っと、どうぞ。鯛と甘海老のカルパッチョです」

写真撮るの忘れた。身がめっちゃ分厚い。酒がきてから食べることにしよう。

「次は、これです」

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「ビル...さーもん?」

「ビルカール・サルモン。これもハイクラスなシャンパンです」

飲んでみる。甘い...かと思ったけど、甘いのは香りだけ?なんか蜂蜜っぽい植物香がする。最初の1杯より味も香りもどっしりした感じ。でもやっぱよく分からん。美味しいような気がする、うん。だって高いんだし。

「あ、それと。サービスなんで、これ一口だけ飲んで比べてみて下さい」

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「なんですか、これ。ドム...?」

「ドン・リュイナール。さっき言ってたバカ高いヤツです。これって中々に手に入らないんですよ」

「え、いいんですか。そんなの。価値分かんないですよ、私」

「いいんですよ。勉強です、勉強」

「ありがとうございます、いただきます」

飲んでみる。味は...メドやビルカールサルモンとは、やっぱり違う。何が違うのか分からん。ていうか美味しいのかどうかも分からん。ヤバい、せっかくいい酒飲ませて貰ってるのにいいコメントが出てこない。アカンぞこれは。

しかし飲み終えて一息ついた辺りで違いに気付く。鼻に抜ける香りが他のものと段違い。これを余韻ていうのかどうかは分からんが。そしてやっぱり何て表現していいか分からん。あぁボキャ貧。

「どうですか」

「正直、味はよく分かんないんですけど...飲んだ後の香り?は、このリュイナールの方が好きです」

「でしょう。良し悪しってのは香りにもよく出ますから」

「ほえー」

まぁでも値段を知らずに飲んでたら、違いは正直分からない気がする。高い=美味い!って頭ん中でバイアスかけてるだろうし。ワインの専門家たちはその辺全部キッチリ判断できるんだろうか。出来る気しねぇや。

そんなことを思いながらカルパッチョをつつく。肉厚な鯛の切り身と松の実があしらわれており、一緒に頬張るとこれがまた合う。このシンプルな味がシャンパンにマッチ。白身魚とシャンパンて合うんだな。なんて贅沢。気取り過ぎた自分がキモいけど。

3杯目

気分よく飲んでいると2杯目のグラスもすぐに空いてしまった。やっぱり炭酸というだけあって、やや腹に溜まってきた。シャンパンあるある。

次はどうしようかなと考えていると、反対側のカウンターで白ワインを飲んでいるお客さんが目に入る。他の人が飲み食いしているやつが欲しくなるパターンのやつ。

「すいません。次はシャンパンじゃなくて、白で」

「白ですか。そうですね...今イイのが開いてるんですよ」

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「...(カリロン?)」

「これはフランソワ・カリヨン。シャルドネ100%です」

飲んでみる。少しの甘みと確かな酸味。なんかすごいブドウっぽい。飲みごたえあるなぁ。ゆっくり味わいつつ飲めそうな感じがする。

シャルドネって世界中で造られてはいるんですが、ブルゴーニュの、特にこのカリヨンのやつはシャルドネの特徴がよく出てるんですよ」

シャルドネの特徴?」

「そうです。ワインて同じブドウ品種であっても造られた地域によって味わいや香りは変化するんです。けれどシャルドネはどこで造ろうが『あ、シャルドネだな』って分かるだけの特徴があるんですよ。やっぱり、酸味と香りですね」

「ほえー(ゴクゴク」

言われてみると確かに。けど比較対象が少ないから、香りがどうとか言われてもまだピンとはこないなぁ。好きか嫌いでいうと好きなんだけど。

そしてこれもカルパッチョに合う。合うんだけど、2杯目のシャンパンの方がもっと合うような気がした。

4杯目

アテと一緒にグラスが空いた。酔いの回り具合からいうと次で最後。せっかくだし、最後はシャンパンで終わらせるか。

「最後に1杯、シャンパンをお願いします」

「かしこまりました。ちょっと趣向を変えて...カステルノーです」

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「...なんか、ビンでっかくないですか」

「"マグナム"っていうボトルで、1.5L入りますよ。大きなビンであればあるほど瓶内熟成が進みやすくなるんです。乱暴に言っちゃうと、シャンパンはビンがデカいほど熟成しやすくて美味しいってことですね。まぁ、その分値段は上がりますが」

「ほえー」

飲んでみる。正直酔っ払ってて、正確な味が分からん。なんか香ばしい香りがちょっとしたような気がする。話の中の「熟成」のニュアンスが掴めなかった。ウィスキーみたいなものなのか。美味しいのは美味しいんだけど、この酔い具合だと全部美味しいって言いそう。もう無理だな。

お帰りタイム

時刻は23:00。約2時間飲んでたのか。時間経つのって早い。もう何を飲んでも味が分からないんで、そろそろ家に帰ることにした。

「すんません、チェックお願いします」

「かしこまりました」

シャンパン3杯、白ワイン1杯、アテ1品。いったいどれぐらい行くんだろう。調子に乗って頼み過ぎた。ていうか営業に乗せられ過ぎた。楽しかったからいいんだけど。一応財布から諭吉さんをドローしておき、平常心のまま支払いに臨む準備しておく。これで足りなかったらちょっとヤバい。

「いいヤツが結構空いたんで、これぐらいです。すいません」

小さな伝票には¥7600と書いてあった。結構いったけど、まぁいいか。カンボジア行くまでに、勉強代として飲み代はケチらないと決めたんだし。そもそもこれが高いのか安いのかも分からんし。グラスで頼むと大体6杯取りで出してくれる店だから、少なくとも良心的だろう。

「ありがとうございました、ごちそう様です」

会計の際はスマートにするのがオトナのマナーらしいので、ここぞとばかりに実践した。気持ちよくお金を払って帰る、これこそデキる大人の作法。こんなこと言ってるあたり、まだまだ小物なんだろうけど。そのまま軽く挨拶をして店を出た。

家路に着く。もともと酒に強くないせいか、酒が抜けて寝れたのは02:00だった。2時間で4杯はやっぱりキャパオーバーだったらしい。二日酔いはしなかったのが幸いか。

最後に

「ワイン分かんねっす!!教えて欲しいっす!!」と最初にお店に断っておくと、ぼっちでも楽しんで飲んで帰れるからマジオススメ。ワインバーの敷居って意外と高くないのかも。