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カンボジアで働いている人の備忘録

24歳、なんかカンボジアで起業したみたいです(他人事)

突発インタビュー!観光地に潜む麻薬売りの中年

とりあえず最初の一ヶ月は仕事もなくフリーなので、しばらくはプノンペン市内をバイクで走り回ることにしていた。基本的にはリバーサイドを中心に、色んな店に行ってみようかと考えている。

ちなみにリバーサイドというのは、プノンペンの中でも観光客が多いエリアだ。すぐ横にはトンレサップ川が流れており、夜には対岸のネオンが水面に輝く美しい光景を楽しめる。ただしレストランの値段は普通に高い。特に立地と見晴らしのいいカフェなんかだと「日本と大して変わらんやんけ!」と感じてしまうぐらい。

そういや去年の8月に来た時は、大人数で車で乗り入れてすぐにFCCとかいうお洒落なカフェに入ったんだっけ。

www.tripadvisor.jp

実質的に見れたのはその店内だけで、リバーサイド全体を歩き回ったワケじゃない。

リバーサイドの様子も見といてねと言われているので、観光がてら徘徊してきた。

夕刻、リバーサイド到着

陽が傾き、空に茜色が滲み出す。川沿いのおかげなのか風が吹いてて結構涼しい。

ぱっと見た感じは人で賑わってそうな印象があるが...食事時ではないので、当然レストランの中に人は少ない。ほぼ1割未満、3割埋まってたら良い方という感じ。見晴らしの良いカフェなんかだと、川に面した一部のテラス席が賑わっている程度。内側の席には誰もいない。軒先がある空きテナントの前などの雨風しのげる場所では、ちょこちょこ路上生活者もいた。

道路を挟んで東側、ここは広めの散歩道みたいになっている。座り込んでダラダラしたり、体操したり、サッカーしたり、バドミントンしたり。地元民はそういう楽しみ方をしているらしい。外国人観光客はだいたい散歩している人ばっかり。

しかし道路の脇道に入ると、お洒落なリゾート感が消え失せる。完全に夜の街、風俗街。東南アジアでは有名な「ゴーゴーバー」と呼ばれるお店が多く軒を連ねている。まだ時間が早かったせいか、客はほとんどいなかった。店の前でお嬢たちがヒマそうにだべっている。

そこからさらに細い2m程度の脇道に入る。街頭がないので夕方でもかなり暗い。どうやら地元民の住宅と住宅の間を通っているようだった。異国情緒あふれていると言えば響きは良いが、あまり良い雰囲気ではなかったので早足で駆け抜けた。

相変わらずリバーサイド散策中

再び大通りに戻ると人がやや増え始めた。なんだか男性の方が多いような気がする。近くにゴーゴーバーがあるんで、まぁそういうことなんだろう。トゥクトゥクドライバーの客引きも増えたか?

自分の見た目もここでは外国人、やっぱりすっげぇ声掛けられる。バイクあるからトゥクトゥクなんて要らないのに。「トゥクトゥク?」「トゥク?」「モトドップ?」「スモーク?」「トゥクトゥク?」「トゥクトゥク?」うーん、うるさいなぁ。ていうか、途中でなんか変なの聞こえた。

思わず足を止める。一人のトゥクトゥクドライバー(以下ボブと呼ぶ)がタバコを吸うジェスチャーをしながら近づいてきた。だいたい察しはついているのだが、とりあえず「スモークって何だよ」とボブに聞いてみる。するとボブは顔を近づけながら、小声で「マリファナマリファナ」と答えた。やっぱりかよ。

私はとりあえず「ほんのちょっとだけ興味はあるけど、絶対ドラッグはしないよ。絶対に。はっはっは」と陽気に答えてみた。
「ちょっとでも?」
「絶対イヤだ。はっはっは」
「本当に?」
「はっはっは」
ひたすら笑ってごまかす作戦である。ボブは最終的に「オッケー、オッケー。わかったよ」と苦笑しながら諦めてくれた。

自分自身こんな経験初めてなので、ちょっと好奇心が芽生えてきた。試しにいくつか質問してみる。

「私は絶対にドラッグはしないよ。けど興味はある。絶対に、絶対に買いはしないんだけど、いくつか聞いてみてもいい?」
「うん、いいよ」
めっちゃ軽いな。クスリの売人とは思えない軽さ。

「この辺りの外国人は、よくドラッグを買いにくるの?」
「多いよ。そこのコーヒー飲んでる人も僕から買ったし」
すぐ脇のカフェに座る60代ぐらいの欧米人男性を、ボブが指差す。やめろ。

「売っているのはマリファナだけ?」
「マッシュルームとかもあるけど、一番人気はマリファナ。タバコみたいにして吸うんだ。カンタン、カンタン」
へぇ、そうなのか。だからスモークって言ってたのね。

「ちなみにおいくら?」
「20ドル。大きさは...こっちに来て!」
そう言うとボブは手招きしながら歩道の脇の方に歩いて行く。なんだなんだと思っていると、ボブは歩道のブロックの崩れた部分の石をめくった。するとそこには、茶色い草の詰まった免許証程度の大きさのビニールパックが隠されていた。

「これがマリファナ?」
「そうだよ。ほら、嗅いでみ」
ボブは私の鼻先にビニールパックを持ってくる。くっさ。

「あー、これダメだ。いつもここに隠してるの?」
「はっはっは。まさか。ここで売るときだけだよ」
得意気に答えるボブ。こんなに色々オープンにして大丈夫なんだろうか。

「驚きばっかりだな。ありがとう、色々と楽しかった。警察には秘密にしとくよ」
「吸いたくなってきた?」
「全然」
「知ってる」
「「はっはっは」」
とか冗談を言い合いながらボブと別れ、私は再びリバーサイドを歩き始めた。

まさかの麻薬売りと遭遇

麻薬の売人と会話なんて、人生で初めてだ。あーこわかった。たまたま恐ろしい人じゃなかったから良かったようなもんだ。もうやめとこ。

他にも途中で10歳程度の少年に「スモーク?」と聞かれたこともあった。子供が麻薬を売るって、どういう状況でそうなってるんだろう。やっぱり親に売らされてるのか。

一般人の月給200ドルのこの国で、20ドルで売れる商品だもんなぁ。トゥクトゥクで客引きだけするよりも、片手間で出来るワリの良い副業といったとこなんだろう。

カフェの横でクスリが売られ、脇道には風俗が立ち並び、裏通りには地元民が住む。リバーサイドはそういうところらしい。思ってたより治安悪そうだ。