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カンボジアで働いている人の備忘録

24歳、なんかカンボジアで起業したみたいです(他人事)

ロシア人から買ったバイクは3ヶ月でポンコツと化したよ

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今年の5月、300ドルでコンスタンティンとかいう名前のロシア人からバイクを買った。

私は、このバイクに名を与えた。コンスタンティンである。

コンスタンティンはロックなヤツだった。

彼のスピード計、ガソリン残量計。これらのメーターの針が全て折れている。バイクに関する一切の情報は、走行中に確認できない。

自分が時速何キロで走っているのか。残されたガソリンは如何ほどなのか。さっぱり分からない。

「数字やグラフを追いかける人生なんてつまんねぇだろ?お前はただ風を感じればいいんだよ」そんなメッセージを、コンスタンティンは私に伝えたかったのかもしれない。

彼のエンジンを掛けるときは、キックスタートじゃないとエンジンを始動できなかった。バッテリーが死んでいたらしい。パワースイッチによる問いかけには、コンスタティンは沈黙を貫いた。

「指先一つで動いちまう人生なんて下らねぇだろ?足を使ってこそ見える世界があるんだぜ」そんなメッセージを、コンスタンティンは私に伝えたかったのかもしれない。

一時期はハンドブレーキが効かなかった。ブレーキワイヤーが劣化して切れてしまっていらしい。いくらブレーキを引いても、すかしたような軽い感触が残るだけった。

「そんな若さでブレーキなんて楽しいか?がむしゃらにアクセルを回せよ」そんなメッセージを、コンスタンティンは私に伝えたかったのかもしれない。

彼のナンバープレートの4分の1は消失していた。いくらか文字が欠けてしまっていて、警察に呼び止められやしないかと私はいつも肝を冷やしていた。

「足りないものがあるから面白ぇんだろ?完璧な人生なんてありゃしないんだぜ」そんなメッセージを、コンスタンティンは私に伝えたかったのかもしれない。

彼のバックミラーは、両方とも固定できないほどユルユルだった。そのせいでバックミラーが使えなかった。おかげで後方確認の際には、必ずしっかりと目視をする癖がついてしまった。

「後ろを振り返る必要がどこにある?目の前にしか未来はないんだぜ」そんなメッセージを、コンスタンティンは私に伝えたかったのかもしれない。

そんなロックなコンスタンティンだが、彼には唯一欠点があった。

お漏らしである。

コンスタンティンを車庫に停めておくと、決まって翌朝にはガソリンの臭気が鼻を刺す。彼の足元には、茶色のシミが残されていた。

さすがにこれはロックじゃないなと、何度かコンスタンティンを修理に出した。計3回。ホースを変え、タンクを変え。総額30ドルぐらい掛かった。

それでもなお、コンスタンティンはお漏らしすることを止めなかった。

お漏らしを止めた瞬間、俺は俺でなくなるんだ。これが俺の存在意義なんだ。生きた証を遺してこそ男だろ。まるでそう主張するかのように、毎日のように彼は茶色いシミと臭気を残し続けた。

私は、彼の熱い想いを支え続けることが出来なかった。すまない、許してくれ。贖罪と、祈りと、感謝と、ほんの少しの涙と共に、私は彼のガソリンをそっと抜き取った。

---コンスタンティン。ロックなロックなコンスタンティン。彼の魂は今なお、どこかで燃え続けているのだろうか。

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おいテメーこらコンスタンティンとかいうロシア人!!!お前から買ったバイマジでポンコツじゃねーか!!!

バッテリー換えたとか言ってたくせに即バッテリー切れ起こしてんじゃねーか!どーいうこったよあ”ぁん!?

ブレーキも直したって言ってたよな!?速攻で潰れたんですけど!!!ハァ!?お前にとっての修理の定義ってなんだよ!!今一度きっちり説明してみろよオラ!!

すげームカついたからこのポンコツバイクにお前の名前つけてやったわ!!!やーいこのお漏らし野郎!!!ばーかばーか!!!

...またバイク買わなきゃなぁ。安物買いの銭失いとは、まさにこのこと。あーぁ。